【Today’s Column】感覚こそが真実
「感覚こそが真実」
この言葉が私の中でずっとこだましている。
今「自由への旅」という本を読んでいて、その中に出てきた1文。
この本はマインドフルネスに関する内容で、今の私にはどうしても必要な知識だったので少し高かったけど、思い切って買ってみたんだ。
実際、とても素晴らしい内容でその中に出てきた冒頭の1文がずっと私の頭の中を離れない。
ぬぬぬ?それはどういうことだワン?
感覚よりも言葉が先行してしまう
私たちは何かを目にしたり感じたりするとき、いつの頃からか言葉に変換するようにしているの。
無意識のうちに「これを言葉にしなくては。」「この感覚や感動を誰かに説明したい!」と言った風にね。
だけど、その思いは「言葉に置き換えた」行為を経由したことにより、その感覚が的確に言葉に置き換えられているとは限らない。
なぜなら私たちは皆さまざまな育ちや教育、生き方をしてきたから、表現する言葉に違いが出てしまうから。
とても美しい夕焼けを見て、皆が「美しい」と感じても、言葉にした途端、皆異なった表現をするように。
「燃えるような空で美しかった」
「オレンジと赤が混じり合って美しかった」
「海とのコントラストがとてもはっきりとしていて綺麗だった。」
これらの表現方法は誰かに伝える時に、どれも的確かもしれないし、どれも的確ではないかもしれない。
だけど、この説明を受けたあとに夕焼けを見た人は、その人の感想が注入された夕焼けを見ることになる。
つまりは「先入観」が入るということか!
そう。しかもこの現象は自分の中でも起きることなのよ。
何かを見たり聞いたりして感じることが、自分の中で言葉にした途端、その言葉のフィルターを通したものになってしまう。
感覚として得たものが、言葉に変換した途端、その言葉のそれになってしまう。
つまりはそこに自分の中で大なり小なり違いが生まれてしまいます。
そこでこれらの現象をこの本「自由への旅」では”パンニャッティ”と”パラマッタ”という言葉で説明してくれているの。
パンニャッティとパラマッタ
”パンニャッティ”と”パラマッタ”という言葉は、仏語です。
この本の中では2つの言葉の意味をこう説明しています。
- パンニャッティ…概念
- パラマッタ…真実
ここから先は、私がこの本を読んで感じたことを、日々の生活に置き換えてお話ししていきます。
先ほど”言葉に変換した途端、その言葉のそれになってしまう”と書きました。
目指すところはパラマッタ=感覚に心を留めておくこと。
その時感じたこと、それが全てであり、その感覚こそが真実なのです。
私たちはどうしても「これは面白いものです。」「これは美しいものなです。」という風に全てを概念(パンニャッテイ)で括ってしまうところがあります。
でもそれは確かに仕方がないこと。
だって、共通認識がないと社会は成り立たないものですから。
だけど、いつの頃からか自分の感覚を無理矢理言葉に変換しようとしてしまっている自分がいます。
更には、一つの概念に自分の感覚を寄せようとする時さえあります。
もちろん時として自分の気持ちを説明しなくては相手に伝わらないし、相手と良い関係は作れません。
ただその一歩前に感じた感覚こそが真実なのです。
常にその感覚=パラマッタに心を留めておくことが大切。
その感覚を大切にしないと、自分を見失い兼ねないなと私は思います。
娘が教えてくれたこと
2013年の夏、私は妊娠6ヶ月の時に娘をお腹の中で亡くしました。
昨日まで元気にポコポコお腹を蹴っていたのに、突然心臓が止まってしまったのです。
その後、私は分娩台の上に乗り、私の産道を通して娘を出産しました。
それからというもの、たくさんの感情が押し寄せてきたけれど、その感情を表す言葉なんて一つも見つけることができなかったのです。
悲しさで一括りにしたくない。
誰かのせいにするものでもない。
なぜ?の問いに明確な答えなんてない。
出産をしたことで私はこの上ない多幸感を得た。
でもどこか寂しい…
もう感情が入り混じり過ぎて自分でもどうして良いのかわからなかったのです。
その結果、私は自分の中で一つの結論を出しました。
その結論とは、「全てそのまま受け入れる。」ということ。
なぜならそれがどうしたって言葉には置き換えられない真実だったから。
その時々で感じることこそが全てで、それ以上でもそれ以下でもないの。
全てをまるっと受け入れるの。
私はこの経験をして、
「あぁ、世の中にはこういう感覚や感情を学ぶこともあるんだなぁ。」
と思いました。
言葉にできないことだってある。
無理矢理言葉にして、その言葉のボックスに入れなくてもいい。
きっと心を自由にするって、こういうところにも当てはまるのかもしれない。
まとめ
言葉を知らない赤ちゃんを見ていると、全身全霊で全てを感じ、感覚で反応をする。
成長するに従ってその感覚だけで生きていくことは難しいけれど、知らず知らずのうちに自分の心や感覚を蔑ろにしてしまう。
だからこそ意識的に自分の心と向き合うための時間は大切するべきだな、と思っています。
毎日1分でも良いから、ゆったりとした呼吸で自分の心の中の静けさを見つめると良いわね!
最後に、「自由への旅」の本をご紹介します。
気になる方はぜひ手に取ってみてくださいね!